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窓を閉じて下さい | |
| パラレルファンタジー 2-0 |
| 紅子は、すぐにそれに気づいた。 彼女の魔力の媒体である水晶が、今まで見たことのない予兆を映し出したのだ。 紅子の周辺、もしくは周囲の人間に変化がある兆しだ。 紅子は魔力の源となる神の名を唱え、水晶に手を翳す。水晶に映し出された異変について調べ始めた。 魔力を集中させると、水晶が更に映し出したのは、紅子の友人黒羽快斗と見知らぬ子供だった。兆しは子供を示していた。 紅子は更に意識を集中させ、目を閉じた。頭の中に水晶から子供の情報が流れ込んできた。 最初に痛いほどの光が見えた。目が眩む。 けれど、その中に一点の赤い染みのような濁りが見える。違う。染みではない。あれは、闇。血よりも赤く、夜よりも暗く、奈落よりも深い、闇。闇をはらんだ光は集束して、やがて、人の形を成した。 それは、子供ではなかった。 快斗によく似た強い澄んだ気を放つ、快斗ではない人間。恐らく、それが子供の本当の姿だ。 紅子は瞳を開いて、意識を水晶から切り離した。長くあの光と闇を見続けてはいけない。紅子ほどの魔力を持っていても、恐らくどちらかに飲み込まれてしまう。 「とても危険な存在だわ。でも、それを貴方は見つけてしまったのね、黒羽君」 魔女は深い溜息をついた。 （2011.01.10） |
| シリーズ名すら考えていないけど、できれば、いつか最後まで書きたいなーと思っているパラレルファンタジー物。 少しずつでも書いていけたらと、2話目の出だしの出だし部分。短い上に、思わせぶりでごめんなさい。 気長にお待ちいただけたらと思います。 |
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