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窓を閉じて下さい | |
保健医シリーズ
2
| カーテンを引いて夕陽を遮る。それだけで部屋は外部からの干渉を受けない密室になった。 シュバルツはベッドに近付き、そっとシーツを剥いだ。アーバインは目を覚まさない。少し寒そうに首を縮めただけで、まだ睡魔に取り憑かれている。 緩めてあったネクタイを解いてやり、シャツのボタンを外していく。 開いた胸元から手を滑り込ませ、指で覚えた弱い場所を辿れば、ようやくアーバインが反応した。 「･･･ん･･･」 だが、小さく身じろいだだけで、目は覚まさなかった。疲労はかなり蓄積されているようだ。 「だいぶ疲れているようだな。では、少しサービスしてやるか」 閃かす笑みは女生徒達の憧れの的だ。だが、それは獲物を前にした狩人の笑みであることに、誰も気づかない。 ゆっくりと胸元に口づける。そのままなぞるように肌を辿れば、何か感じるのか、眠るアーバインの表情が煩わしげに歪んでいく。 開いた胸元から忍び込ませた手は悪戯を続ける。 「･･･あ･･･？･･････」 流石にアーバインも目を覚ました。だが、寝起きの頭はまだ状況を把握していないようだった。ぼんやりと視線が彷徨っている。 自分の状態を分かっていない獲物に、シュバルツは肌に唇をつけたまま薄く笑った。 「目が覚めたか、アーバイン」 耳からの音と肌を伝わる振動は、アーバインを完全に目覚めさせるには十分だった。 「え･･･!? あ、あんた、何やってんだ!!」 肘で上半身を起こそうとしながら、アーバインが叫ぶ。しかし、シュバルツは答える代わりに、強く吸いついた。 「やめ･･･あっ･･････」 肘が崩れて、身体は再びベッドに沈み込む。 引き離そうとアーバインの手が金色の髪を掴むが、その動きを咎めるようにシュバルツが巧みに舌と手を使えば、乱れ震えて力は入らなかった。 「･･････いい加減に、しろ･･････」 切れ切れに聞こえる声はシュバルツを楽しませた。そんな風に抵抗されれば、嗜虐心も刺激されようというものだ。アーバインの言動は全てがシュバルツに対して裏目に出る。 それでも、相手を本気で怒らせるつもりはないので、名残を惜しみながら、シュバルツは身体を起こした。 「疲れを取ってやろうと思ったのだがな。気に入らなかったか？」 「･･･取れるわけねえだろう。何処をどうすりゃそんな理屈がでてくんだよ」 乱れた息を整えながら睨みつけてくるアーバインに、欲を刺激されるのは、多分シュバルツが悪いのだろう。しかし、ベッドの上で乱れた衣服を掻き合わせている誰かは、やはり据え膳そのもので、シュバルツとしては有難くいただくしかなかった。 「そうか、疲れが取れないか。なら、もう少しサービスしてやろう」 「は？ ！ いい、んな事しなくていい！ オレもう帰るから」 服の前を合わせながら、慌ててベッドから降りようとするアーバインを逃がすシュバルツではなかった。 白衣が翼のように翻る。それは天使のものではなく、間違いない悪魔の翼だ。 翻った裾が落ち着きを取り戻した時には、アーバインの身体は三度ベッドに押し倒され、両手はシュバルツの手によってシーツに縫い止められていた。 「放せ、このセクハラ野郎！」 捕食寸前の獲物が必死に抗う。しかし、狩人は決して狩りの手を緩めたりはしない。 「セクハラとは心外な。どちらかというと、セクハラではなく、お前は別腹だ。どんなに満腹でも、お前だけはいつでもどこでも美味しくいただけるぞ。それに何を言っている、アーバイン。私は保健医だぞ。この学園の全ての人間の健康と安全に注意を払う義務がある。当然、疲れているお前を癒すのも私の仕事だ」 「あんたが、オレの健康と身の安全を脅かしてるんだっつーの！」 「失敬な。お前の身体の事はお前以上に知っているつもりだぞ」 言うが早いか、シュバルツの手は素早くアーバインの両手首を先刻解いた彼のネクタイで括って、抵抗を封じ込めた。 「ほら、こうされるの好きだろう、アーバイン？」 「やめ･･･！」 シュバルツの不埒な手の動きに、アーバインの身体は敏感に反応した。 「･･･あ･･･」 そこへ咳払いが二つ飛んできた。 「お取り込み中、申し訳ないんだが･･･」 (2003.06.08UP) |
| 続きです。 すみませんね、相変わらずシュバルツがエロ保健医です。でも、書いていて楽しいです（苦笑）。 しかし、やはり、自主規制の四文字熟語の壁は厚かった・・・。修正しまくりました。まあ、これぐらいなら何とか許容範囲ではないかと思う今日この頃。 にしても、あまり深く考えずに書いていたら、更に続いてしまいました。･･･続くのか？ 続いてどうする（自分ツッコミ）。 これ以上、話が展開するか、次で終わるかは書いてみないと分からないです（苦笑）。人生出たとこ勝負ですな。 |
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